台風19号の豪雨で千曲(ちくま)川が氾濫するなどして甚大な被害を受けた長野県で、災害ごみの処理が滞り始めている。可燃ごみ焼却施設「ながの環境エネルギーセンター」(長野市)は、受け入れ可能な限界量に近づいたとして、長野、須坂両市にある災害ごみ仮置き場からの搬入を休止。このため、長野市は環境省に他県の自治体での受け入れ支援を要請している。(松本浩史)
センターは、長野市や須坂市など9市町村で構成する長野広域連合が運営しており、域内の6市町村の可燃ごみを焼却処理している。施設のごみ貯留量は2900トン、1日の処理能力は最大で約400トン。
平時は1日平均300~320トンのごみを処理していたが、15日から災害ごみが大量に搬入されるようになり、24時間態勢でフル稼働させてきた。しかし、搬入される災害ごみが多くて処理が追いつかず、焼却前のごみを一時的にためる貯留槽の約9割が埋まってしまっている。
このため広域連合は28日から、災害ごみ仮置き場からの搬入を休止した。住民が直接持ち込む災害ごみや域内にある商工業者の災害ごみ、通常の家庭ごみは処理を続けている。
広域連合は、再開のメドについて「搬入状況を見極めて最終判断をする。現時点では見通しが立たない」と話している。長野市は、市のホームページなどで、家庭ごみの排出を抑制するよう呼びかけているが、実効性は乏しいのが実情だ。
こうした事態を踏まえ長野市は、災害時のごみ処理を他県と連携して取り組むことを定めた環境省の規定に基づき、環境省に支援を要請した。現在、富山市が受け入れ施設や処理できる量などに関して調整を進めている。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース